2008年 科学技術の発展に向けて

世の中は豊かになっているので、もう科学技術の発展は必要ないという意見もあります。

しかし、現在でも多くの人々が病気、老化などで苦しんでいます。科学技術の発展は必要ないという意見は、多くの人々が現実に
苦しんでいることについてはどのように考えるのでしょうか?

現在においても、人類の科学技術の水準を高めることが必要ではないでしょうか?

そのために、日本は、科学技術関連人材の地位向上という画期的な科学技術の振興策を世界に率先して打ち出すべきでしょう。
新しい科学技術政策を強力に打ち出すことにより、日本は世界に貢献するという役割を果たすことができると思われます。

世界で苦しんでいる人々を救うためにも、科学技術の振興という役割を日本は果たしていくことが必要です。

2008年が日本の科学技術振興における飛躍の年となることを願っております。



1.科学技術の発展の必要性

世の中は豊かになっているので、もう科学技術の発展は必要ないという意見もあります。

しかし、現在でも多くの人々が病気や老化などで苦しんでいます。

今でも治療の難しい病気が多く存在します。特に、人類が現在有している科学技術の水準では不
十分な病気には、科学技術のさらなる発展が重要となります。

たとえば、C型肝炎を例に挙げれば、科学技術の進歩により、近年、完治率も上がってきましたが、
まだ全員が完治するわけではありません。

病気で苦しんでいる人々の全員救済のためには、人類が持っている科学技術の水準自体を上げて
いくことが重要です。

さらに、一見健康な人でも、老化は避けられません。人類が有している科学技術水準では老化を防
止するのには不十分です。

iPS細胞やアンチエイジングなど新しい科学技術の発展が見られます。老化についても、科学技術
の水準を上げることにより、より健康に生きられるようにしていく必要があるでしょう。

科学技術の発展は多くの病気や老化を緩和してきました。

昔は、日本の平均寿命は20歳台でした。疫病や飢饉などで、ばたばたと人が死んでいったのです。
明治時代ですら、日本の平均寿命は30歳台でした。結核などの感染症で人々は次々に死んでいったのです。

現在では、日本の平均寿命は80歳台に達し、発展途上国の多くも平均寿命は60歳台に達しています。
理系の連帯による世界と日本の貧困の緩和

科学技術の発展は、不治の疾患を治る疾患へと変えてきました。世界の平均寿命は、科学技術により
大きく向上したのです。

今では信じられないことですが、昔は脚気で命をなくす人が多かったのです。脚気は恐ろしい病気でした。
脚気だけではなく、天然痘、結核、小児麻痺、はしかなどで多くの人が命を落としていました。20歳、30歳
になるまでに、多くの人は死んでしまっていたのです。

老化についても、老人医療の改善や栄養状態の改善が図られています。たとえば、腰が弓のように曲がっ
た老人は少なくなりました。

科学技術の発展は、苦しんでいる人々を救ってきました。今後も救っていくでしょう。

理系がいなければ、人類の病気や老化に対する対応能力は、進歩することができなかったでしょう。

世界で苦しんでいる人を救うために、理系の活躍による科学技術の発展が重要となります。


2.科学技術関連人材の地位向上という画期的な科学技術の振興策

日本は、科学技術関連人材の地位向上という画期的な科学技術の振興策を打ち出すべきです。

徳川家康は、医者の優遇を行いました。しかし、医学の飛躍的な発展を支えたのは、科学技術全体です。
医者だけを優遇しても医学を進歩させることはできません。

江戸時代に冷遇された平賀源内のエレキテルは、電気現象の研究のさきがけといってよいでしょう。もっとも、
それが医学と関係があるとは誰も思わなかったでしょう。

しかし、電気現象の研究は、やがて医学に大きな革命をもたらしました。現在では、電気がない状態での医療
は考えられないでしょう。検査機器も、治療機器も、電子機器になっています。電気がなければ、X線写真をとる
のも、手術を行なうのも難しいでしょう。

また、錬金術の研究も、一見すると関係がないようで、実際には医学の発展を支えました。人類の有する化学
の知識が豊富になったからです。

人体は物質で出来ており、物理法則、化学法則、生物学法則に従っています。したがって、物理学、化学、生
物学に関係する広範な理系、理工系の学問の発展が、医療の進歩をもたらすのです。

広範な理系、理工系が、医学研究の進歩にかかわっています。一見関係がないような研究が、医学を大きく進
歩させます。

たとえば、日本には寒天の製造を研究した人がいました。医学と直接は関係のない理系といってよいでしょう。

寒天は、コッホにより寒天培地として使われました。そして、細菌学の進歩に貢献したのです。コッホの細菌学
における業績は有名です。

伝染病の治療に、日本の寒天の研究が貢献しているということができるでしょう。日本の寒天の研究は、間接
的に、多くの人命を救ったのです。

このように、広範な理系、理工系が、一見して全く医学の研究に携わっていなくても、人類の科学技術水準全体
を引き上げることで、医学の進歩に貢献しているのです。

最近では、コンピュータが、遺伝子工学、タンパク質デザイン等を通じて、新薬の研究等に大きな影響を与えてい
ます。

コンピュータを作るための電気、化学、半導体などの材料等の研究者が、新薬の開発に貢献していることになります。

半導体の研究者は、自分の研究が新薬の研究に貢献しているとは夢にも思わないでしょう。

しかし、科学技術は全体として発展するものであり、人類の科学技術の水準を全体として高めていくことが、病気や
老化で苦しんでいる人を救っていくことになるのです。

多くの苦しんでいる人を救うために、人類の科学技術の水準全体を高めていかなければならないでしょう。


3.2008年を日本の飛躍の年にする

2008年は、日本の飛躍の年にする必要があるでしょう。

日本は、科学技術関連人材の地位向上という画期的な科学技術の振興策を打ち出すべきです。

日本は先進国の責務として、人類の科学技術の発展に貢献する立場にあります。

世界で苦しんでいる人々を救うためにも、科学技術の振興という役割を日本は果たしていくことが必要です。

2008年が日本の飛躍の年になることを願っております。

2008年1月2日 日本の夜明けを願って