理系の連帯 - 地位向上運動の基本的考え方

広範な理系の連帯が必要です。1人1人の力は小さくとも、多くの人が連帯することにより、社会に有益な変化が生み出されるのです。


I.理系の連帯が難しい理由

1.連帯の重要性の過小評価

 理系の連帯が難しい最大の理由は、連帯の重要性を過小評価する傾向があることです。 

 自分の力を信じたAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の連帯が重要だということは知っていた。しかし、それを過小評価した。

 Aさんは、極めて優れた研究者で、何でも1人でできると考えていた。連帯は重要だが、100人の連帯なんかより、自分1人の力の方がずっと大きいと考えていた。

 Aさんは、極めて優れた研究者なので、自分に絶大な自信があったのである。だからこそ、研究では他人のやらない分野に果敢に取り組み、大きな研究成果を挙げたのである。

 だから、Aさんは、妥協をして他人に譲ることは嫌いだった。理系の連帯という考え方も、自分がまったく妥協しないという前提でなければ認めたくなかった。

2.完璧主義

 理系の連帯が難しい第2の理由は、完璧主義により、不完全なもの、醜いもの、不純なものを許容しない傾向があることです。

 自分の感性と合わないもの、考えが異なるものを見ると拒絶してしまう傾向です。

 不完全なものを拒絶するのは、自然科学においては、健全な思考法です。しかし、人間社会では、せいぜい60%、場合によっては、30%くらい受け入れられれば、連帯するに足りるとしなければならないでしょう。
 
 考え方の違ったAさんとBさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の地位向上が重要だと思っていた。
 Bさんも、理系の地位向上が重要だと思っていた。

 しかし、Aさんと、Bさんは、具体的にどのように地位を向上させるなど、細かい点で考え方の違いがあった。
AさんとBさんは、互いに相手の細かい考え方の違いを許せなかった。

 Aさんは、Bさんの不完全なところを突き、Bさんの考えは間違っていると言った。Bさんも、Aさんの不完全なところを突き、Aさんの考えは間違っていると言った。

 お互いの言うことは、まさにそのとおりだったのである。

 Aさんは、Bさんがだんだん我慢ならなくなっていった。
 Bさんも、Aさんがだんだん我慢ならなくなっていった。

 そして、Aさんと、Bさんは、お互いに協力しないことを決めた。


3.自分の損になることをしたがらない傾向

 理系の連帯が難しい第3の理由は、自分の損になることをしたがらない傾向です。

 たとえば、理系全体の社会的な地位を高めるために自分の労力や時間を使うことは、使った時間に比して割りに合わないと考えます。それは、1人1人については真実でしょう。

 誰もが損をするのは嫌なものです。しかし、みんながそのように合理的に考えれば、理系全体の地位が下がり、みんながより大きな損をすることになるのです(合成の誤謬)。

 合理的に考えたAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の地位向上が世界にとっても、日本にとっても重要だと思っていた。

 しかし、Aさんは、理系の地位向上が自分にとって得か損かを合理的に考えた。

 Aさんは、理系の地位向上に向けて動いても、自分がつぎ込んだ時間、労力に見合った結果は得られないと合理的に計算した。

 それは、まったく合理的で正しい計算結果だった。

 Aさんは、何もしなかった。

4.大雑把な議論を嫌う傾向

 理系の連帯が難しい第4の理由は、大雑把な議論を嫌う傾向です。

 例えば、理系と文系を比較する議論をすると、「理系でも、こういう人はいる」、「文系でも、こういう人はいる」、「だから上の議論は間違っていて、考慮するに値しない。非科学的だ」という結論に至る人がいるのです。




 理系の連帯が的外れと思ったAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の連帯が重要だということは知っていた。しかし、理系の連帯について述べられていることが、当たっていることもあるが、外れていることも多いと感じていた。

 Aさんは、理系の批判眼により鋭く考えていた。

 そして、Aさんは、理系の連帯という考え方自体を否定した。

II.理系の連帯が、地位向上運動には不可欠であること

 理系の連帯は、理工系の地位向上運動には不可欠です。

 理系は、これを文系を排除する運動というふうに誤解することがあるのです。

 しかし、連帯というのは、そういうものではありません。理系が連帯をすることで、文系と一緒に協力していくというだけのことにすぎないのです。

 理系の連帯が文系排除だと思ったAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系だったが、理系の連帯が文系を排除するものだと誤解していた。

 Aさんは、みんな仲良くやるためには、理系は連帯してはいけないと考えた。

 そして、理系の連帯という考え方自体を否定した。

 不完全さを嫌うことは重要です。しかし、人間は最適化することはできません。

 小さな違い、許容できる違いは乗り越えて、社会を良くするという大きな目的のために、連帯が必要なのです。

 理系の連帯が偽善だと思ったAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の地位向上が重要だということは知っていた。しかし、結局は人間のやることであり、偽善の側面から完全には逃れることはできないと感じていた。

 Aさんは、理系の的確な観察をしており、まったく正しかった。

 Aさんは、何をしてもすべて偽善であるから、「何もしないこと」により自分だけが人間の偽善の側面から完全に逃れられる考えた。

 そして、Aさんは、理系の地位向上のために活動するという考え方自体を否定した。



III.理系、理工系の地位向上運動が、広範な連帯を呼びかけている理由

 本サイトや関連サイトが、リンクを貼っているサイトも、考え方が相当に違うサイトも含まれています。それでも、30%程度同じであれば十分でしょう。理系、理工系の地位向上という大きな目的のためには、小さな違いや、相当大きな違いも捨象することが重要なのです。

 お互いに細かい違いはあっても、「科学技術の振興と、理系、理科系、理工系の地位向上に何らかの意味で役立つ」という大きな点では合致しているサイトと、協力関係を結んでいきたいと思います。

 60%の共感を目指したAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、理系の地位向上という1点で協力していくことが重要だということは知っていた。

 しかし、Aさんは、自分の活動以外には、違和感を持っていた。他者への違和感である。

 Aさんには、自分の活動以外には、自分が60%以上満足のいく活動はないと感じた。

 よって、Aさんは、自分の活動以外の活動には、見るべきものがないという結論に至った。

 理系の広範な連帯を呼びかけているのもそれが理由です。理系といっても、実に広範な人々が存在します。それらの人々の立場や利害は細かく見れば、異なっているでしょう。

 しかし、日本の科学技術立国に向けて、理系の連帯という大きな目的を実現することが重要と考えるのです。

 理系の立場の違いを感じたAさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんも、Bさんも、理系の地位向上という1点で協力していくことが重要だということは知っていた。

 しかし、AさんとBさんは、理系だったが立場がかなり異なっていた。

 AさんとBさんは、お互いの立場の違いが我慢できなかった。

 Aさんは、Bさんとは、協力しないことにした。
 

 それは、科学技術と関係のない人々の生活も豊かにし、世界の人々にも貢献することになるのです。この点の認識が同じであれば、連帯することができると思います。

 根本的な考え方が同じなのに、細かい違いで分裂し、結局のところ、最も重要な根本的な考え方を実現できなくなるのは、本末転倒なのです。

 Aさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、科学技術の発展は重要だと考えていたが、Bさんと反目していた。
 Bさんは、科学技術の発展は重要だと考えていたが、Aさんと反目していた。

 Cさんは、科学技術の発展は、環境汚染を招き、地球を滅ぼす悪だと考えており、人間は科学技術を発展させるべきではないと考えていた。

 Aさんと、Bさんは、互いに反目していた。Aさんは、Bさんの言うとおりにすることだけは我慢がならなかったのである。

 Aさんは、Bさんの案に賛成するぐらいなら、Cさんの案に賛成した方がよいと思った。

 本サイトの基本的な考え方は、科学技術の発展は人類の福利を増大させ、科学技術の発展のためには理系、理工系の待遇、社会的地位を改善する必要があるということです。

 この基本的な考え方が同じである限り、細かい違いを乗り越えて、連帯が可能だと思います。基本的な考え方が同じであれば、理系に限らず、文系であっても、連帯が可能なのです。

 そして、1人1人の善意は小さくとも、理工系の地位向上のためのあらゆる手段のうち、できる範囲内で、たとえば1つか2つかを実行するだけで、日本の理系、理工系の地位低下という社会問題は、解決してしまうのです。



 Aさん (仮想的な例であり、実在の人物とは関係がありません)
 Aさんは、自分が理系の地位向上のために何かをしても、他の人はどうせ動かないから、何の意味もないと考えた。

 Aさんの分析は正しかった。他の人は動かなかった。

 他の人も、Aさんと同じように考えたのである。
 

 さらに、法人、団体とも連帯することが必要です(理系の大連帯)。すなわち、製造業(製造業の地位向上)、理系企業、技術系企業、理工学部(理工学部の連帯)、技術系官庁、理系関連団体等が、理系、理工系、理科系と大きく連帯し、さらに日本自体も、理系の連帯の輪に加えることが重要です。理系の連帯で、最大の利益を受けるのは、他でもない日本自体なのです。

 さらに、世界の理系、理系関連団体との連帯を目指していくことも必要です(理系の世界大連帯)。理系の世界大連帯により、科学技術の進歩の促進を通じて最大の利益を受けるのは、他でもない現在及び未来の世界人類全体なのです。

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以下は、理系の連帯にご賛成いただきました団体、個人、サイト等のリストです。
なお、本サイトとかなり考え方が異なっていても、科学技術の発展は人類の福利を増大させ、科学技術の発展のためには理系、理工系の待遇、社会的地位を改善する必要があるという点で大きな方向性が合致すれば、理系の連帯にご参加(協賛)いただけると思います。

協賛

理工系.com(rikoukei.com)
理工系の地位向上の会(kaiin.rikoukei.com)
技術立国(tecr.cocolog-nifty.com)
理系.info(www.rikei.info)
理系の地位を向上させる会(www.rikei.info/about)
理工系人材の地位向上のページ(gijyu.web.fc2.com)
ハンドル名:ペンギン

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