2080年の世界

科学技術の発展によりもたらされた驚くべき世界

I.2080年の世界

1. 科学技術の発展した世界

 2080年、環境破壊は修復され、自然が回復していた。

 科学の進歩により、病苦、事故、自殺は、ほとんどなくなっていた。

2. 科学技術への感謝の気持ち

  人々には色々な意見があったが、多くは科学技術への感謝の気持ちで一杯だった。

3. 地球外生命体の発見

 ロボットは、他の星の生命体をどのようにすれば助けられるかについて研究を重ねていった。

 ロボットAは言った。「まず、地球の電波文明以前のレベルにある生命体については、我々地球の文明レベルでは助けるのが困難です。電波を送っても、受信してくれません。地球の保有する宇宙船の航行距離はせいぜい0.05光年であり、一番近い恒星にすら到達できません。」

 ロボットBは言った。「よって、交信対象は、地球の電波文明以降のレベルの惑星ですが、電波文明の初期には、仮に電波を受信しても、信号を解析できません。よって、電波文明に続く、コンピュータ文明以降の惑星が対象となります。」

 理香子は言った。「私たち地球人も、20世紀には他の惑星と電波で交信することはできなかったね。」

 ロボットAは言った。「高等生命が存在する惑星キラメキは250光年離れています。その文明レベルは電波文明以前と推定されますが、現在、地球から電波を送信すれば250年後に届きます。その頃には、惑星キラメキが、コンピュータ文明以降のレベルに到達している可能性がわずかながらあります。」

 理一郎は言った。「相互通信は難しく、一方的な情報の送信になってしまいそうだね。」

 理香子は言った。「しかも、コンピュータ文明の水準の惑星に、ロボット文明の水準の地球の科学技術情報を送っても、発展を加速できるのは、約100年程度ないんじゃないの?」

 ロボットAは言った。「そうですね。電波文明の寿命は長くありません。電波文明からまもなくコンピュータ文明に以降し、その約100年後には、ロボット文明に移行するからです。昔、ドレイクの方程式という方程式がありましたが、電波文明の寿命を短く見積もると、銀河系には生命体がいないかのような計算結果が生じてしまうのです。」

 理一郎は言った。「約100年程度の進歩でも、惑星キラメキにとっては切実な問題かもしれない。それは、地球の2000年頃の状況を考えればよく分かる。受信される可能性が低くても、惑星キラメキに科学技術情報を送信してくれ。」

 理香子は言った。「それがいいわ。ところで、地球は、400光年先の惑星カガヤキからの電波は受信できないの?」

 ロボットAは言った。「すでに受信をして一部を解読しています。そこには、新しい科学技術の知見が含まれています。」

 理香子は言った。「一旦、他の惑星の文明の情報を受信できるようになると、加速度的に科学技術水準が上がるのね。」

 理一郎は言った。「400光年先の惑星カガヤキより、もっと進んだ文明はあるの?」

 ロボットAは言った。「地球の科学技術水準では検知できませんが、惑星カガヤキらの情報に、さらに遠くの宇宙の成り立ちが含まれていました。惑星カガヤキは、1000光年先の惑星からも情報を得ているそうです。」

 理香子は言った。「2000年頃の地球の人間は、理系と科学技術のもたらす可能性を過小評価していたのね。」

 ロボットAは言った。「350光年先の惑星ネオンの生命体は、戦争をしたようです。ウランの核分裂反応が見られました。核兵器が使われたと思われます。電波文明の後期に差し掛かっていたようです。」

 理一郎は言った。「核戦争をやめるように、地球の歩んだ歴史の情報を送信してくれ。」

 ロボットAは言った。「届くのは350年後なので間に合うかどうか分かりませんが、とりあえず送信します。」
 

II.電波以外の地球外生命体との交信方法の探究

1.電波以外による交信

 理香子は言った。「電波での交信以外の方法で、地球外の生命体を支援することはできないの?」

 ロボットAは言った。「400光年先の惑星カガヤキでは、他の手段も検討しているようです。電波通信では、コンピュータ文明以前の生命体とは交信できないからです。受け手の側の文明力が弱いと、受信することが困難なのです。」

 理一郎は言った。「他の電磁波はどうなの?ガンマー線で通信するのはどう?」

 ロボットAは言った。「遠距離通信用に、ガンマー線バースト通信を行なう惑星文明もあるようですが、受信するために必要な文明レベルはさらに高いので、現在の地球でも研究中です。また、ニュートリノなど素粒子を使った通信も研究しています。」

2.ロボットを派遣することによる地球外生命体の支援

 理一郎は言った。「実際にロボットを派遣して他の惑星に科学技術を教育するのはどうなの?」

 ロボットAは言った。「昔、フェルミのパラドックスという話がありました。もし、高等生命体があれば、ロボットを派遣して他の惑星に殖民するので、地球にもそのようなロボットは来ているだろうが、実際には来ていないので、高等生命体は地球以外には存在しないという考え方です。」

 理香子は言った。「でも、私たち地球は、今後、宇宙にロボットを派遣する予定はないわ。現在の科学技術水準でも、宇宙船は0.05光年先に行くのが精一杯だし、そもそも物質文明を今後飛躍的に発展させようという気もないわ。」

 ロボットAは言った。「そうなのです。ロボット文明の次は、物質文明からの脱却の段階となります。脳と意識の研究が飛躍的に進むからです。だから、進んだ文明が、数光年以上離れたところに物質的な影響を及ぼすということはまれなのです。」

 理一郎は言った。「現在、ロボットは、人間の意識を脳という物質から切り離す研究をしているね。」

 ロボットAは言った。「そうです。地球文明が、ロボットを派遣して太陽系外の惑星を支配することは将来的にもないでしょう。太陽が膨張しても、太陽系より外に出る必要もありません。」

 理香子は言った。「でも、他の生命体を救うために、ロボットを他の恒星系に派遣したり、宇宙船を巡回させるのはどうなの?」

 ロボットAは言った。「そのような惑星もあるかもしれませんが、今のところ、地球文明での予定はありません。」

3.科学技術情報を詰め込んだ物質を直接送り込むことによる地球外生命体の支援

 理一郎は言った。「科学技術情報を詰め込んだ物質を他の惑星に送るのはどう?」

 ロボットAは言った。「1光年以内に惑星がある場合、そのような手段も可能です。しかし、地球の場合、一番近い高等生命が存在する惑星キラメキでも、250光年離れています。光速の1%の速度が限界ですが、25000年もかかります。届く頃には、惑星キラメキの文明水準は進んでしまっています。」

 理香子は言った。「地球に、科学技術情報を詰め込んだ物質が来ていないのは、高等生命が存在する惑星がかなり離れているからなのね。」

 ロボットAは言った。「もしかしたら、遠い昔に地球に打ち込まれ、現在は地下深くに眠っている可能性もあります。」

III.地球の未来

1.さらなる高みへ

 理一郎は言った。「ところで、地球文明の未来はどうなるの?」

 ロボットAは言った。「惑星カガヤキからの情報を解読していますが、物質的な生命の形からの脱却の方向となると思います。」

 理香子は言った。「それはどういうものなの?」

 ロボットAは言った。「詳しくは分かりません。惑星カガヤキからの情報によれば、宇宙には、はかり知れないほど高度な段階があるようです。地球が2080年に到達した水準は、宇宙ではかなり低い水準のようです。」

2.理系の地位向上 − 2000年頃の人類の歴史の回顧録

 理一郎は言った。「2000年頃、理系の地位向上をしなかったために、かなり科学技術の進歩が遅れたね。」

 理香子は言った。「そうね。あの頃、理系の地位向上をしておけば、2080年の科学技術水準にもっと早く到達していたわ。」

 理一郎は言った。「あの頃から、科学技術の発展にもっと力を入れておけばよかったね。」

 理香子は言った。「そうね。あの頃の技術者、研究者のおかげで、今の地球があるのね。」

この小説はフィクションであり、特定の人物や史実との関係は全くありません。



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